ギガヘルツ・マックなんて諦めている? もし諦めていないのだったら,今すぐにできることはなんだろうか? もしかしたら,パワーPCを生み出した「親」を捨てることか? 親を殺して,子は育つ,という格言のように。
信頼できる情報提供者によると,アップル社は,IBM社,モトローラ社以外の新しいパワーPCチップの開発メーカーを探しており,そのための資金供給などを考えているという。これについてはアップル社内でも討論が続けられているが,2社による閉じられたチップ市場への依存からの克服を目指しているのは明確だ。
AMDとインテルによる激しい競争により,爆走を続けるx86チップ市場に比べると,パワーPCの歩みは凍りついているかのように進んでいない。アップルでは,昨今の売り上げ減退の原因として,その遅々として進まないチップ速度「メガヘルツ・ギャップ」をあげている(過去記事)。ジョブズがちくりとモトローラを批判し(MacWIRE ONLINEの記事),モトローラは追い詰められている。だが,モトローラは優秀な開発陣の離職などもあり,開発スピードの回復は現状では見込めない。モトローラではあくまで予定として,来年1月に600MHz,春に命令パイプラインに変更を加えた新型G4で733MHz,秋口に800MHzと計画を立てている。すなわち,マックでギガヘルツマシンが出されることは,予定のさらに先,というわけだ。
ジョブズのフラストレーションは,手にとるように感じられる。クロックスピードがすべてではないのは確かだが,コンシューマーにとっていちばんわかりやすい基準は,やっぱりそれ以外にないのだ。AMDも,トランスメタも,パワーPCに関心がないわけではない。ただ,今は多くに手を広げずに確かな成長を遂げたい気持ちが強いだけだ。しかし,モトローラはチップメーカーとして,現状では「終わっている」。だから代わりが必要なのだ。AMDやトランスメタの名前がアップル社内でやり取りされているのは,決して噂ではない。
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